เข้าสู่ระบบ「そこ答え間違ってるよ」 「えっ!?どこだよっ!?」 「ここ」 そいつは赤ペンでオレのノートに間違った問題をどこでどう間違ったか丁寧に教えてくれる。 腹が立つ事に滅茶苦茶分かりやすい。 正直教科担任より分かりやすいかもしれないって言う…何かすっげームカつく。 「……聞いてる?」 じとーっと睨まれて、全く説明を聞いて居なかったオレは背中に冷汗を流しつつ静かに顔を背けた。 「聞いてなかったのね。ユメー」 「はーいっ」 「げっ!?」 やばいやばいっ! 夢姉が指を鳴らして近寄ってくるっ! 昔から夢姉が怒ると全く勝てる気がしない。って言うか勝てない。怒られそうになったオレが出来るのは逃走のみ。 急いで立ち上がり、逃走する。 「おっと、逃げるなよ、ガキんちょ」 ガシっと顔面掴まれて、逃走経路を塞がれる。夢姉の友達で向井円って女らしいけど、これがまた半端なく強い。 っていうか、怖い。 絶対ヤンキーだろコイツ。 「陸、素直に殴られておいた方が良いよ。眠気とぶし」 「……………」 「お前らっ!あっさり裏切ってんじゃねーよっ!!」 「………最近、勉強楽しい」 「ボクも。それに鈴先輩のお菓子食べれるなら、頑張れる」 「やっぱり裏切ってんじゃねーかっ!!」 夢姉とその友達から逃げ回っていると、突然横から腹に蹴りを入れられた。 「あ、ごめん。あまりにも煩いから。蹴飛ばしちゃった。…美鈴ちゃんにこれ以上手間かけさせるなら、もう一発今度は鳩尾に入れるわよ?」 「…すんませんした」 すごすごと机に戻り、問題集と向き合う。 ここは聖カサブランカ女学院の生徒会室。 白鳥美鈴がオレ達の施設に突撃して来たあの日から既に二週間が経過していた。 あの日。こいつはオレ達に新しい家を与えてくれると約束し、その時、条件を提示した。 二学期の中間テストで順位を100番アップ。 いや、無理だろ。素直にそう思ったものの、こいつは言った。 無理でもやれと。オレ達は最年長者なんだから。オレ達が母さん先生を支えなくてどうする。家族なんだろう、と。 こいつの言ってる事は正しい。 オレだって迷惑をかけたい訳じゃない。ちゃんと母さん先生を支えたい。 だからその条件に納得した。 納得したけど、もともと空っぽで働かない、この脳みそ。 自分で勉強してもさっぱり
「王子ー。こっちの決裁よろしくー」 「あ、王子。ついでにこっちも頼むわ」 「王子、ごめん…私、計算間違えたぁ」 「こちらの書類は終わりましたわ。次はどうなさいます?王子」 うふふー…。仕事が山積みで私死にそう…。 ユメのあの事件から一か月。 結局あの後どうなったかと言うと。まず、また虐めを再開させようとしたB組の連中は円からの盛大な反撃をされ鳴りを潜め、B組を担任していた教師は私が自ら権力を用いて首にした。表向きは転任と言う形をとったけどね。下手な恨みは買いたくないし。本当なら警察行きなくらいの問題なんだから感謝して欲しいわ。 ただ、転任先が花札学園だから、真っ当に扱って貰えるかは解らないけどね。双子のお兄ちゃん達は卒業してるだろうけど猪塚先輩と大親友の華菜ちゃんがいるから、何かしら情報を仕入れてそれなりの報復をしてくれるだろう。 それから一年生の話だけど神薙杏子がどうにか抑え込み頑張っていたようだけれど、一向に解決せずもう面倒になったので、生意気な連中は一発がつんとやれば大抵黙るので、私は思い切りガツンッと恐怖を植え付けてやった。今後は何もしてこないと思う。余程の馬鹿じゃない限り、ね。え?何をしたかって?内緒☆。 残るは綾小路菊だけど。それは桃に一任している。これに関しては綾小路家という家の問題も絡んでくるから下手に手を出すよりかはと傍観を決め込む事にした。不用意に手を出してトバッチリが飛ぶとかは出来るだけ避けたい。 まぁ、そんなこんなで何とか、平穏な日々が訪れた。ユメにも笑顔が戻って万々歳。 万々歳、なんだけど…。 「なんで、こんなに山積みに書類が溜まってるのかなー?」 「それは、生徒会の書類の話?それとも仕事の書類の話?」 「仕事の書類の話」 「あぁ、それなら美鈴ちゃんが悪いよ。ここ数日余裕があったのに、皆とお揃いのシュシュ作るんだってひたすら製作に明け暮れてるんだもの」 「うぅー…。正論だから何も言い返せない…」 優兎くんの言葉の刃が刺さる刺さる。 机に突っ伏して、ぐったりとしている私の姿を見て四人が楽し気に笑う。そんな皆の姿を見るととても幸せそうで私は大層満足である。 「だって、皆似合うでしょー。私の作ったシュシュー」 「うん。皆可愛いと思うよ」 でしょうっ!? 力作なんだからっ!! 皆各々好きな所につけてく
……沈黙。 と言うよりは、緊張状態と言った方が正しいのかな? 防具を付けて、美鈴ちゃんと円ちゃんが薙刀を手に対峙している。 今日は美鈴ちゃんが小学生の時から続けている薙刀の練習をすべく、放課後円ちゃんと一緒に剣道部の道場に来ていた。 昔は薙刀部があったらしいけど、今は部員がいなくなった所為でなくなってしまったそうだ。 因みに、愛奈ちゃんは締め切り、夢子ちゃんは補習、桃ちゃんは夢子ちゃんの付き添いで三人共いない。 膠着状態が続いてるなぁ…。 相手の隙を見る為、なんだろうけど…もう20分もこの状況だよ? 忍耐力がものを言うのかな? ……今まで姿勢正してたけど、流石に疲れたから道場の壁に背を預けた。すると…。 「やぁっ!!」 「―――ッ!!」 同時に動き出す。 円ちゃんの突きを躱した美鈴ちゃんが繰り出した一撃が面へと決まった。 勝負あり、かな? 二人は距離をとり、互いに簡略的な礼をして僕の方へ歩いてきた。 動かずにその場で待っていると、二人は僕の前に来て、すとんっと床に座りこんだ。 手早く面を外して床に面を置いたのを確認すると、僕は二人にタオルを渡す。 「ありがとう、優ちゃん」 「サンキュ。優」 「二人共凄い汗だね」 「そりゃそうだよ~。円ってばぜんっぜん隙がないんだもん」 「そりゃアタシのセリフだよ。踏み込むタイミングが全然つかめなかった」 二人は汗を拭いながら言う。けれど何だか楽しそうだ。 「円は本当に凄いね~。剣道やってたのは知ってたけど、薙刀なんて私が言わなければ触る事もなかったんでしょう?」 「そうだね。でもこれやってみたら結構面白いし。剣道と近いものがあるしね」 「あ、そっか。円ちゃん、剣道やってたんだっけ」 二人共会話するのは良いんだけど、水分補給もちゃんとしなきゃ…。 僕は保冷バックからペットボトルを二つ取り出して二人へ手渡す。 「そう言う優は?何もしてないのかい?」 「私?私は…」 特にやっている訳じゃない。訳じゃないけど…。 僕は記憶を呼び起こした。※※※あれは確か小学五年の時だった。 あの時もこうやって美鈴ちゃんが良子様と金山さんに薙刀を習っているのを見守っていた。 (相変わらず白鳥邸の三階って広いよね…。ダンスも踊れるようになってるんだから当然と言えば当然だけど…) 椅子に
…辛い…。まさか、こんなにも辛いなんて、思いもしなかった…。「…………い」家に帰ってもお帰りって可愛い笑顔が見れない。「……おい」部屋で勉強してたら、こっそりと覗いてくるあの可愛いほわほわが側にいない。「…おいっ」辛すぎるよ、鈴ちゃんっ!うぅぅ……。鈴ちゃんがいない毎日に泣きそう…。「おいっ!!」バシッ。頭が叩かれた。「…………痛いんだけど?」「こんだけ呼んでるのに気付かないお前が悪いっ」「呼んでくれと頼んだ覚えはないよ」「そりゃそうだ…。って違うわっ!」うるさいなぁ…。ゆっくりとノートから目を離し頭を上げると、そこにはクラスメートの姿があった。………誰くんだっけ?「おまっ!?その表情っ!!小学六年間、中学も三年一緒だった俺の名前、まだ覚えてないとか言わないよなっ!?」…………あぁ、そうだ。田辺だ。「何の用?田口くん」「田辺だってのっ!!」「あれ?そうだっけ?」「おま、おまっ…」「……おい。葵。そうやって田辺を苛めるな。あとが面倒なんだから」あーあ。揶揄ってたのがバレちゃった。って言うか、そもそも。「何の用だったの?」僕が本題に入ると、顔を覆って泣いたふりをしていた田辺がすちゃっと元の態勢に戻り、親指で自分の背後を指し示した。視線を送るとそこには顔を赤らめた女子が一人と、それの付き添いらしき女子が二人。「………はぁ」溜息しか出ない。以前、小学校にいた頃は、僕が鈴ちゃん以外には優しくないって事を知っている人の方が多かったからこんな風に呼び出ししてくる人間は少なかった。それが今じゃ呼び出し放題、言いたい放題。ほんっと溜息しか出ない。「……龍也。代わりに行ってきてよ」「馬鹿言うな。俺だって今呼び出しが終わって戻って来たばっかりだ。これでまた出て行ったら昼飯食いっぱぐれるだろうが」「うん。それでいいと思う」「良いからさっさと行って来いっ。女子の噂は怖いぞ。やつらに酷い対応をしてまわりにまわって美鈴の所まで噂が届いたらどうする」「…………それは、良くないね。分かった。行ってくる」立ち上がって教室の出入り口の方へと向かう。その背後で。「あいつそんなに妹が好きなのか…」「まぁ、仕方ないだろ。それだけ美鈴は良い女だしな」と聞こえてきた。とりあえず後で龍也は殴ろう。彼女達の前に立ち、僕は微笑
今日は美鈴ちゃんと愛奈ちゃんと僕、三人でお昼。 他の三人は、円ちゃんはクラスで何かあるらしい。夢子ちゃんは先生に呼び出しを受け…って言うか多分補習の相談。桃ちゃんは神薙杏子と話があるそうだ。 生徒会室で三人で美鈴ちゃんが作ったお弁当を食べていると。 愛奈ちゃんが何かを取り出して読み始めた。 「何か見ながら食べるのは消化に悪いよ?」 一応突っ込んでみたけれど。 「うっさいよ、従者」 あっさり切り返された。 「でも実際お行儀が悪いよ?って言うか何見てるの?」 美鈴ちゃんに窘められて、愛奈ちゃんは渋々本を閉じてお弁当の横に置いた。 表紙も何もない本。厚さとしては雑誌よりも薄い? 大きさはB5サイズ、かな? 「……………ねぇ、愛奈?何かすっごく嫌な予感がするんだけど、ちょっとそれ見ても良い?」 「うん。いいよ。これはもう読んだから。読み直してただけだし」 許可を得た美鈴ちゃんはその本を恐る恐る手に取って中をパラパラと見て…静かに本を閉じた。 そんな風にされると中に何が書いてあるのか気になって仕方ないんだけど…。 「愛奈。これは一体誰発行?愛奈じゃないよね?だって愛奈の文章ではないもんね?」 「うん。私じゃないよ。これ発行してるのは文芸部」 「文っ!?…はぁ。おかしいとは思ってたんだよね。文芸部ってそこまで予算ないのにいっつも懐潤ってたし。…これの所為か」 うぅ…気になる…。 「ねぇ、美鈴ちゃん。私にも見せてくれない?」 「………優ちゃん。後悔しないならいいけど…」 「そんな後悔するような内容なの…?」 こくりと美鈴ちゃんが頷く。 一瞬どうしようか迷ったけれど。 それでも好奇心が勝ってしまって、それでもいいから見たいと言うと美鈴ちゃんがその本を渡してくれた。 ペラっと表紙を開くと。 『従者×王子 13』と書いていた。 更に一枚頁を送る。 『「私だって、守りたいのっ!貴女を守りたいのよっ」 「必要ない。分かって。王子…。私は貴女を守るためにここにいるの。この命はその為にあるのよ」 「そんなの嫌よっ!嫌っ!行かないでっ!優兎っ!」』 …………ん? ど、どう言う事かな? 一旦本を閉じて、目をごしごしと擦ってもう一度表紙をめくる。 『「そんなの嫌よっ!嫌っ!行かないでっ!優兎っ!」 「王子…」 「どうして貴女
ユメを何とか助け出した翌日。 私と優兎くんは寮の入口に立っていた。 それも新しい制服を身に纏って。 「美鈴ちゃん。思い切った事したよね」 「そう?可愛くない?」 くるんと回って私は優兎くんに新しい制服を見せた。 「うん。可愛いよ。可愛いけど、私が言ってるのはそこじゃなくて」 「ふふ。分かってるって。でも、この位しないと、B組や一年の連中を黙らせられないだろう?」 「それは、まぁ、そうだけど…」 仕方ないなぁと笑う優兎くんに私も笑顔を返す。 実は、この制服。私が作った、正しくは製作依頼した、新しい制服だったりする。 この学校のセーラー服は上も下も紺色でスカーフが白。夏服もそれが半そでになるだけ。 なんだけど私と優兎くんが着ているこれは違う。 下は紺色のスカートで変わらないけど、上は白に紺色の襟とスカーフ。そしてスカーフには白でこの学校の校章が描かれている。 「…もう、ユメをあんな目に合わせない為だよ。態と白を多く取り入れたんだ。…皆私の友達だから。手を出すなって牽制の意味もあるの」 「…成程ね。…美鈴ちゃん、まだ怒ってるんだ?」 「当り前。本当ならユメを殴った奴ら全員殴り倒して、歯をへし折ってやりたい位だよ」 「美鈴ちゃん。ちょっと落ち着こうか」 背中をポンポンと叩かれる。 えー、結構落ち着いてるんだけどなー。 これがママだったら問答無用でタコ殴りだよー? とは思ってても、口には出しません。優兎くんに引かれちゃ困るから。 そうこうしてる間に、登校する生徒達が出て来て、私達の姿を見ては驚きながらすれ違っていく。 更に暫く待っていると、 「大変お待たせしましたわ、王子っ」 「王子、お待たせー」 桃と愛奈が現れた。私と同じ姿で。 「二人共似合うね。可愛い」 愛奈の額に、桃の髪にキスを落とすと、二人は耳まで顔を赤く染めて固まった。 「どうしよう…。日に日に美鈴ちゃんのタラシ度がアップしてる」 「ちょっと、優ちゃん。失礼な事言わないでくれるかな。これは私がタラシてる訳じゃなくて、葵お兄ちゃんがたらしてるんだよ。だって私は葵お兄ちゃんの真似してるだけだからね」 「それは絶対違う。違うよ、美鈴ちゃんっ」 ちょっと二人共。なんで優兎くんに同意してんのっ!? これは葵お兄ちゃんの真似をしてるだけなんだってばっ! 葵お